【令和6年10月】法話箋225号
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「春の訪れと白梅」
昔、二人の息子を持つ母親がいました。息子達は成長すると長男は草履屋、次男は傘屋を開店しました。
当初母親は二人が立派なお店を出したことをとても喜びました。しかし時が経につれ、母親は晴れた日も雨の日も息子達の心配ばかりをするようになりました。
母親は雨の日は長男の傘が売れなくなる。晴れの日は次男の草履が売れなくなると心配したのです。母親の様子を案じた長男は母親にこう言いまた「母さん、よく晴れた日は、今日はよく草履が売れると喜んで下さい」。
次に次男が言いました「母さん、雨の降る日は、今日はよく傘が売れると喜んで下さい」。
優しい息子達に諭された母親はパッと明るくなり「今日は晴れたから草履が売れる」「今日は雨だから傘が売れる」とどんな天気の日も嬉しそうに空を見上げるようになりました。
人生には善いことも悪いことも起こります。だけど、今年は善い方を見るようにしたいものです。善い方を見れば、更に善いことがやってくるからです。